CADという言葉は聞いたことがあるでしょうか?仕事を探すときなどの求人広告にCADオペレーター・CAD技術者募集」とか、資格スクールにおいて「CADの資格取得・技能取得」などと書かれています。ではCADとはいったい何の事をいうのでしょうか。
このサイトでは、CADって何?といった素朴な疑問から、これからCADの資格を取得しようとしている方、また技能を身につけCADを使った仕事に就こうとしている方に、出来るだけわかりやすくCADについてお話していきたいと思います。

CADとはおおまかに2つの意味で使われます。1つはComputer Aided Designの略で、コンピュターによる設計支援ツールの事を言い、一般的にCADシステムと呼ばれます。その一方、ただCADと表現される時の大半はComputer Assisted Drafting,もしくはComputer Assisted Drawingの略で「コンピュターを使った製図システム」の意味で使われます。

そもそもCADが誕生したのは、今から約40年ぐらい前、CAM(コンピューターによる製造支援:基礎用語参照)というシステムが開発され、その後そのシステムに指令を与える目的で開発されたのが、今日のCADの原型と言われています。その後多くのメーカーから多種多様なCADが開発され、現在では数百種類のCADが存在していると言われています。

CADが誕生した事は、従来の製図作業、図面作成の現場では大変大きな意味がありました。従来の製図作業、図面作成には、職人による膨大な専門的知識と時間が必要でしたがCADの誕生はある程度の知識があれば簡易に製図作業、図面作成が出来るようになったのです。また、データとして扱えることで修正が容易になり、繰り返し図面をコピーできるので非常に効率的に作業が出来るようになりました。その他にも類似の図面作成が非常に簡単にできる、設計において手計算で求めていた寸法や面積、強度の計算などの手間が省けるようになったなど従来の手書きの図面に比べ作業効率が格段に向上しました。

CADが開発され、コンピュータの高性能化と普及率の向上によりCADを使っての製図作業、図面作成、設計は急速に社会の中に浸透していきました。製品の大量生産が基本である現代。
現在CADは、機械用CAD、建築用CAD、電気系CADのみならずアパレルやアクセサリーといった多種多様な分野まで、対象や業種などを選ばずに製図、作図、設計の各方面でたいへんな広がりを見せ、今後さらに多岐にわたり使用されていくものと考えられます。CADの誕生により従来の専門的な知識と経験が必要だった設計、製図、作図において図面の基礎知識とCADソフトの使用方法を学べば、比較的簡単に作業ができるようになった現在、様々な分野で活躍するCADについて、もう少し触れてみたいと思います。の経済社会において、CADの誕生はある意味必然と呼べるものだったのかもしれません

CAD の原点と一般的に言われているものは、1963 年に MIT(米国マサチューセッツ工科大学)のサザーランド(I. Sutherland)が発表した論文であるといわれています。この時発表されたシステムはSKETCHPADと呼ばれ、最初の対話型のコンピュータシステムと呼べるものでした。当時のコンピューターは演算処理速度が遅く、1台数千万円というとても高価で、大きさも巨大なものでしたが、時代は小型で高性能なコンピューターの開発に注目が集まりました。
その後ハードの高性能化は進み、1971年にフランスのベジエ氏によって自由曲面の形状制御が発表され、1973 年には現在もつかわれている ソリッドモデル(Solid Model:3DCADにおける形状設計時の立体図形の取り扱い上の分類の一つで、オブジェクトを中身の入った固体として表現するデータ形式)の表現方法が発表されました。

1980年代には、3次元オブジェクトを線形状のみで表現するワイヤーフレームモデル(Wire Frame Model:中身も面も持たず境界線だけ表現されるデータ形式) の開発が進み、ソリッドモデルとサーフェースモデル(Surface Model :ソリッドモデルが固体として表現されるのに対し、表面だけのデータで表現するデータ形式)の分類もなされました。
その後1980年代後半には3次元の加工データ作成用にサーフェース系の3次元CADが徐々に普及していきました。

1990年代にはwindowsNTシリーズが開発されハードの性能が上がるにつれ、2 次元 CAD から 3 次元 CAD への移行が活発化していきます。そして、1990 年代後半には、システムのハードとして、高性能な CPU が開発され、飛躍的に高速な演算処理速度が可能になり3次元のソリッド系CADが急速に普及していきました。

現在では2次元CADを「専用CAD」「汎用CAD」に、3次元CADには「ハイエンドCAD」と「ミッドレンジCAD」、「ローエンドCAD」とおおまかに分類されます。専用CADとは、特定の業務向けに設計、作図を効率的に行えるCADのことで、機械向けの機械用CAD、建築関係に向いている建築用CAD、電気・電子の分野に向いている電気系CADなどをいい、汎用CADとは、特に業務を限定しないCADのことをいいます。
3次元CADの分類は通常クラスで分けられ「ハイエンドクラスのCAD」は非常に高性能な3次元CADで自動車・航空業界で主に使用されています。「ミッドレンジクラスのCAD」は機械系の業種や家電製品の製造などを中心に幅広い分野で使用され、多くの企業で採用されています。また前述した3Dオブジェクトへのモデリングタイプの違いによる分類もなされています。また2次元に高さを加えることで、表示上3次元CADに似た表示をするCADを、2.5次元CAD(または2+1/2次元)と呼びます。

?建築CAD
一般的に建設CADとは意匠設計図を作成するためのCADといわれます。また建設業でおいては、意匠、構造、設備などの各専門技術者が存在しそれに応じて図面の種類も多く存在しています。建築CADとはそれらの図面を作成するのに適したCADのことを表すときもあります。建築関係の図面は平面図、立面図、断面図から構造仕様書、伏図など様々ですが建設CADでは部材記号などの建設図面用の線種が登録されていて、面積の測定などが容易におこなえる仕様になっているのが一般的です。
国内においてはJw_cadやAutoCAD、 DRA-CAD、 VectorWorksなどが建築の分野ではよく利用されています。また高度な建築CADでは専門的な解析やシミュレーションなどの機能を有しているCADもあります。

?建築設備用CAD
建築関係のCADの中でも建築設備という分野に特化した専用CADもあり、それらを建築設備CADと呼びます。基本的な機能として、部材記号や配管・配線を表示する線種が標準登録されていて、配置・ルートの変更などを容易に行なうことができるなどの機能を有しているのが特徴といえます。 国内ではCADWe'll CAPE、CADWe'll tf@s、同社の発売する3D CAD CADWe'll U/KITが主流のようです。

電気系CAD
電気系CADは基本的に2次元CADで、大きく回路図用とレイアウト用に分かれます。回路図用は電気、電子回路、論理回路などの接続情報を表現するもので、レイアウト用は基板や複数種の配線などを表現するため、レイヤを扱え、かつ小さなブロックを組み合わせより大きなブロックにしていくような階層を持たせた設計が可能となっています。

機械系CAD
機械系CADは主に機械製図作業を支援しやすくするために特化したCADの事をいいます。現代の製造業においてはCAMやCAT、CAEなどの技術と EDPS/MISといった情報処理システムと統合してコンピュータ統合生産システム(CIMS;Computer-integrated manufacturing system)と呼ばれる概念に発展しました。製造の現場で発生する各種情報をコンピュータを活用してシステムを構築、統括し、生産性を向上させることを目標としています。これからは、CADの知識だけではなく、その前後にかかわるソフトの理解も必要とされる時代かもしれません。
自動車業界ではハイエンドの3次元CAD、I-DEAS,CATIA,UGSなどが使用されているところが多くようです。また製造業でも、3次元CADの普及が急速に広まりつつあります。
フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」より一部抜粋

CADを使って製図、作図する上で、必要な事にCADソフト自体の操作と製図の知識があります。ここでご紹介するのは機械製図のほんのわずかですが、簡単に目を通してだいたいのイメージをつかんでおきましょう。また建築製図にも別途JIS規格で決められています。
機械製図のルールは,JIS (Japanese Industrial Standard)規格で決められています。その内容は図面の様式や尺度、線などの定義から始まり、図面名称、図面管理など多岐にわたります。ここでは、特にCADとの関連が強いと思われるものだけを機械製図の規定で抜粋してみていきましょう。
?CAD図面・・・CAD製図に用いられる図面の大きさについてはA系列を標準とします。もっともよく用いられる大きさはA1で594×841(mm)です。また図面の様式として図面用紙は、長辺を横方向に置いて用いますが、A4については縦方向に置いてもかまいません。また各用紙のサイズによってマージンを設定し、輪郭線を引くように定められています。

?CAD図面の線・・・CAD図面において使用する、線の種類や用途、太さ、破線についても規定されています。

?文字の大きさ・・・文字についても様々な規定がありますが、文字の大きさについては2.5mm、3.5mm、5mm、7mm 及び 10mm を標準とします。
 
?尺度・・・JIS規格では描いた図形の長さと実際の対象物の長さとの比で表し、現尺の場合には 1:1 で、縮尺の場合には、例えば、1:2、倍尺の場合には、例えば、5:1 のように表すとされています。ただし、1枚の図面で幾つかの尺度で描いた図形がある場合には、主となる尺度を表題欄の中に記入し、その他の尺度はその図形の付近に表示する旨が規定されています。通常表題欄は図面にむかって右下に描きます。

?投影法・・・図形を投影法で表す場合は基本的に第三角法で書きます。第三角法では平面図は、上側に置き、下面図下側に置きます。左側面図は、左側に、右側面図は右側に置きます。背面図は、左側又は右側に置きます。

?投影図・・・投影図は正投影図を用いて描きます。また正投影図だけでは不足していたり、理解しづらい図形には補助投影図、部分投影図、局部投影図、回転投影図、部分拡大図をくわえて図面を描きます

?幾何交差・・・交差とは通常図面で指示する値は何桁かの整数ですが、製品としては完全にその指定された値と一致することが望ましいですが、物理的に限界がありますので交差(許容差)をあたえます。例えば、ある寸法を10.00mm、交差を0から-0.03と指定してされている場合は10.000mmから9.970mmの間の寸法で製作します。寸法に与える許容さを寸法公差とよびます。一方幾何交差とは製品の直角,平行,真円度,平面度等になどに対し与える交差を幾何交差と呼び、表示の仕方が規定されています。

CAD・・・Computer Aided Design(コンピュータによる設計支援ツール)またはComputer Assisted Drawing(コンピュータを使った製図システム)の略語。コンピュータを利用して機械や建築物、自動車、電気回路といった工業製品の設計、製図作業を行うシステムのことを言います。

CAM・・・Computer Aided Manufacturing)の略語。製品の製造を行うために、CADで作成された形状データを入力データとして、加工用のプログラム作成などの生産準備全般をコンピュータ上で行う為のシステムのことを言います。

CAE・・・Computer Aided Engineeringの略語で、コンピュータ技術を活用して製品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うことを言います。他の分野ではしみレーション、数値解析などと呼ばれることがあります。

中間ファイル形式・・・CADデータの互換は中間ファイルを通して行われるのが一般的です。CADはデータを独自にもっているのですが、異なるCADソフトデータの受け渡しをする場合、いったん中間ファイルに置き換える方法がとられます。しかしながら完全なデータ互換方法ではないので、データの一部が破損するなどの問題もあります。 

SOHO・・・Small Office Home Officeの略語なのですが、明確な定義は確定していないのが現状です。しかしながら仮に定義を掲げるならば、IT技術、インターネット環境を活用した個人もしくは小規模の事業所による情報技術・知識専門型のサービス業といえるでしょうか。在宅での仕事や副業としてSOHOをはじめる方も多くCAD分野でも一つの形態として広く認知、普及しています。

カスタマイズ ・・・ユーザーが使い易いように改良、改造する事を言います。広い範囲のユーザーを対象としている「汎用CAD」などでは、機能を特定の業務用に集約したり、逆に不足している機能を追加して使いやすくする事で仕事効率をあげます。また、専用CADでもカスタマイズの機能は重要で、専用のツールが用意されているCADもあります。

アウトソーシング・・・アウトソーシングとは、外注、外部委託ともいい、業務のうち専門的なものについて、それをより得意とする外部の企業等に委託することを言います。CAD分野でのSOHOの発展とともに、CADデータの作成を外部に委託する企業が多くなってきています。企業側のメリットとして、コスト削減や業務の効率化などが挙げられます。

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